脳ドックのご案内                                                   

 脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)が三大成人病(脳卒中・癌・心筋梗塞)のひとつとして注目されていますが、癌や心筋梗塞に比べて予防、早期発見を心がけている方はまだ少ないようです。

 脳ドックとは、脳卒中の予防・脳腫瘍の早期発見・痴呆の予防などを目指した脳の健康診断です。

 MRIMRA検査により、無症状脳梗塞や脳腫瘍それに今まで予防が困難とされていた「クモ膜下出血」の原因となる「脳動脈瘤」の発見が可能となりました。脳血管障害は、家族性に起因する事が多いと言われています。ご家族や血縁者に脳卒中になった方がいる場合は、十分な注意と定期的な検査が必要です。

「脳卒中の危険信号」とは。

 脳卒中はある日突然に起こると思われていますが、多くの場合何らかの異常が潜在的にあることがすくなくありません。次のような症状があれば危険信号と言えますので注意が必要です。

「頭痛や頭重感が気になる」     「幻暈や耳鳴や立ちくらみが多い」  「ものが二重に見える」

「視野で見にくい部分がある」    「気が遠くなり、意識がなくなる」     「舌がもつれて話しにくい」

「口の周囲や手足の痺れがある」  「手がふるえる、字が書きにくい」   「お箸が上手に使えない」

[手足の力が弱くなった」              [歩行時によろける、よく転ぶ」        「目の前が真っ白になったり、真っ暗になる」

 

MRI 磁気共鳴画像診断検査」について。

 強い磁力を用いて、生体を構成する原子のうち最も多く存在する水素原子から信号を取り出し、それを画像化する検査です。放射線を使用しませんので、放射線被曝の危険は全くありません。

 信号を取り出すときの条件を変えることにより、様々な性質の画像が得られますし、あらゆる角度での断層画像作成が可能ですので、それらを組み合わせることにより、全身のほとんど全ての部位の撮影が可能です。脳では脳梗塞や脳の萎縮や脳腫瘍を早期に発見します。

 

MRA 磁気共鳴血管撮影検査」について。

 上記装置を用いて血管の形状を画像化する検査です。CT検査の場合と異なり、造影剤を使用しないで血管を画像化出来るのが特徴で、血管を様々な方向から見た三次元画像として表示する事が出来ます。 

 「頭部MRA」では脳血管の状態を画像化し、くも膜下出血の原因になる未破裂の脳動脈瘤や血管の奇形 や閉塞所見などが無いか調べます。

 「頸部MRA」では動脈硬化による頸動脈の狭窄や閉塞それに血管の奇形が無いか調べます。

 

「検査を受ける際の注意点」

 MRIMRA検査は磁力を用いて画像を作成するため、放射線被曝の危険はありません。しかし、強い磁石を用いた機器のため、磁力による影響が考えられる場合は検査が出来ませんので注意してください。

1,ペースメーカー装着者

 磁力によりペースメーカーが破損しますと、生命の危険がありますので検査は出来ません。

2,脳動脈瘤の術後

 最近の動脈瘤の手術では磁気に反応しない材質のクリップを使用するようになりましたが、従来は磁石に引きつけられる材質のクリップを使用していたため、このような場合は検査に危険があります。

3,体内に金属が存在する場合

 手術や外傷などで体内に金属があると磁石に影響されますが、上記以外はほとんど危険はありません。

 まれに、義歯に用いられた金属が、画像に影響を与えることがありますが、危険はありません。

 しかし、歯に磁石を埋め込まれている方の場合は検査が出来ません。

4,妊娠中

 胎児に影響はあまり無いと考えられていますが、一般的に妊娠初期は避けたほうがよいと言われています。

5,その他

 検査には20〜30分かかりますので、閉所恐怖症(トンネルやエレベーターが怖いようなかた)や痴呆等でじっとしていられない場合も身体を動かすと画像が乱れてしまうため検査は難しいと思われます。

 

「脳ドックの問題点」

 ドックのMRI検査は安全性を重視したスクリーニング検査であるため、カテーテルと呼ばれる細い管を頚動脈まで導入して造影剤を直接血管に流す脳血管撮影に比べると、精度の点で少々問題があります。

 一般に破裂する危険性の高いといわれる5mm以上の大きさの脳動脈瘤であればほぼ診断できますが、それより小さいものは見逃されたり、逆に正常なのに疑わしいと診断されたりすることもあります。

 また、MRI自体が新しい検査であるために、MRIで発見された脳梗塞類似病変が本当に脳梗塞や脳血管性痴呆の危険因子であるかどうかは今のところ明らかではありません。 

 脳ドックは将来起こりうるクモ膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍などを症状が出る前に発見し、その対策を考慮することを目的としていますので、近い将来破裂する可能性のある大きな動脈瘤や治療可能な脳腫瘍等が見つかった場合、手術等の処置を積極的に行い、延命できれる可能性が大きくなるわけで有用ですが、逆にそれほど積極的に治療の必要のない疾患、あるいは既に治療の出来ない段階にまで進行してしまった疾患が見つかったりした場合、解決しようがない問題を抱え込んでしまい、不安や気苦労が増える事になるわけですから、本人にとっては「知らなかった方がよかった?」「検査をしなかった方がよかった?」のでは、と思われる事例があるのも事実です。「近々破裂する可能性のある大きな動脈瘤が見つかったとしても、手術等の積極的治療を受ける気持ちは最初から無い。」とか「解決しようが無い病気を敢えて知りたいとは思わない。」という気持ちをお持ちの方の場合は検査をお勧めしてよいのか少々疑問が残ります。

  脳卒中発生の危険因子として高血圧、心臓病、糖尿病といった全身の病気や代謝異常が少なからず関与していますので、脳卒中の予防・痴呆の予防などを目指す目的で脳ドックを受けられるのでしたら、それらの疾患をスクリーニングのための血液検査や心電図検査などは最低限は必要と思われます。したがって、「脳ドック」だけでなく「総合ドック」程度のチェックは同時に行った方が良いと思われます。

 

当院では次の脳ドックのコースを設定しています。

画像の読影・判定は放射線科専門医と脳神経外科専門医が行います。

「総合脳ドック」 

 頭部MRI・頭部MRA・頸部MRAを行います。

  頭部MRI検査に頭部、頸部の動脈の精査を含めた総合的な脳ドックです。

「基本脳ドック」 

 頭部MRI・頭部MRA を行います。

  頭部MRI検査に頭部の動脈の精査を含めた脳ドックです。

「簡易脳ドック」 

 頭部MRI を行います。

 脳の老化現象、脳の萎縮、アルツハイマー病、脳梗塞、脳腫瘍、脳出血の有無が判れば良いという方に お勧めです。

「ヘリカルCT脳ドック」 

 マルチスキャンヘリカルCTで頭部をスキャンします。

 CTの特性で脳内出血やクモ膜下出血は良く描出されますが、脳梗塞や脳腫瘍の小さな病変を描出する 精度はMRIより劣ります。小さな隠れ脳梗塞を見つけることは出来ません。  

  MRIと違いスキャン時間は数十秒ですので、安静を保つのが無理な方や、長時間検査台に拘束されるのが難しい方、MRI禁忌の方の脳の状態の概略を知るのに適しています。

 

 
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